中心市街地活性化法とTMO (99年4月)

(社) 中小企業診断協会富山県支部

町田さん(商店主)は 、商店街のリーダーとして商店街活性化にとりくんでいる。新に中心市街地活性化法ができTMOなる組織ができたので今後の街づくりについて今野コンサルタントに聞きに来られた。

繁田 中心商店街に人が歩いていない。空店舗が増加し中心街が消滅すると感じている市民も多いのが現状です。TMOなる組織がこの問題を解決してくれるとの記事がありましたが本当ですか。
 
今野 昨年中心市街地活性化の「まちづくり三法」が制定されました。
生活環境の観点から大型店に配慮を求める「大型店立地法」、まちづくりのために土地利用を計画規制する「改正都市計画法」および中心市街地を活性化する活動を直接支援する「中心市街地活性化法」とが三位一体をなしています。
11省庁が共同して支援する新法では中心街は"商店の儲けの場"だったのが "街の顔、人々が集う、住民生活に不可欠な場"と評価が変わりました。
 
繁田 本当に行政はタテワリ性をこえて共同して支援するのですか?
 
今野 これまでは商店街支援と都市計画が連動していない等行政の縦割りのせいで多くの商店街の計画が案だけで終わりました。
しかし今度の法改正で「住民参加の都市計画と商店街活性化」のまちづくりのやり方が打ち出され、中央行政主導から地域の住民商店主が主役になり中心街を再生するしくみに変わったのです  
この地域主導の活性化組織の役割がTMOに期待されています。
TMO(タウンマネージメント機関)とは中心市街地が、その特性をいかして賑わいがでるように、企画立案、意見調整(商店街組合・行政・街づくり会社等)面でマネージメントする機関です。
地域が望めば実施事業もできる機関です。
運営は(1)商工会議所主体と(2)市民と商店街との第三セクターが主体になる2方向が多いようです。
 
繁田 住民参加の組織になるかどうかは地域で決めていくのですか?
 
今野 蔵の商店街のある川越市では商店主と市民によるまちづくり市民会「蔵の会」が景観をいかしながら観光客を集めて中心街の賑やかさを復活しました。
役所マンや専門家と市民が話し合い、講習をうけながら計画をつくり、その計画にそって会員個々人がやりたいイベントを行い、行政市民が支援して成功したのです。
川越のように、住民がすみよい、賑やかな中心市街地をこんな風につくりたいと専門家と計画し、公聴会等で発表し、イベント事業で成功をつみあげていく。
TMOがこの会等を主体に運営され、行政と協働していく街づくりのやり方なら、行政マンや専門家も生かせるので11省庁による中心市街地活性化が総合的に機能すると考えます。
 
繁田 これまでのような行政や会議所だのみの体制ではだめなのですね!
 
今野
 
 
 
 
 
貴方次第です、貴方の商店街、市町でも川越のようにやりたい事のある商店主や住民、産業人が計画をつくり、公聴会等で市民に公開しながらイベントで賑やかさを実現。TMOはこの会の提案やソフト事業をいかしたまちづくりの実現をめざす・・個をいかし調和進歩する街づくりを提案しています。
 
繁田
 
県下でも例がありますか?
 
今野
 
 
 
 
 
 
黒部市では市民による街づくり協議会が商店街の支援活動をしています。昨年のイベントでは市民会が予算と世話をして商店主は売ることに専念できた例があります。
TMOをいかすのは貴方次第です。自がやりたい街づくりを市民と協働して検討すしTMOを通して実現していきませんか?
 
                            (園 利宗)



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