2000年問題〜早急な対応を〜 (97年6月)

(社) 中小企業診断協会富山県支部

マスコミが「2000年問題(Year 2000 Problem)」と名付けた、コンピュータとソフトウェアシステムに対する2000年の日付の切り替え問題が、今、大きな話題になっている。以下は、経営コンサルタントである今野さんが、以前情報化指導を行った繁田さんの会社を訪問した時の会話である。

繁田 最近、新聞・テレビ等で2000年問題と言われていますが、これは何ですか。2000年国体なら知っているのですが………
 
今野 西暦年号は慣例的に2桁表現されているケース(例えば1997年を97年といった表現)が多いと思いますが、同様にコンピュータやプログラムデータも同様に下2桁で日付処理を行っているものが多くあります。このような場合、2000年が1900年として処理されてしまうため、2000年代と1900年代の大小関係が逆転し業務上大変なトラブルが発生します。
 
繁田 もう少し具体的に、わかりやすく説明して下さい。
 
今野 例えば、2000年までの生産計画をコンピューターに入力しようとした場合、2000年の分が1900年の生産計画として処理されてしまうとか、エラーで入力拒否されインプットが出来なくなることがあげられます。
 
繁田 2000年の日付にかからなければ大丈夫なのですね。2000年にかかる様な長い納期のものは未だ無いので、あと1〜2年したらこの問題に取り組めばよいですね。取り合えす安心しました。
 
今野 いえ、2000年対応は全てのコンピュータ資産をチェックしないといけませんので、時間のかかる作業であり、更に業務的には2000年以前に2000年の日付を持ったデータが発生します。すぐに準備に取りかかっても少しも遅くありません。
 
繁田 どの様な手順で2000年対応を行うえば良いのでしょうか。
 
今野 メインフレームと呼ばれるコンピューターで動くソフトとパソコン等で動くソフトでは対応が違ってきます。メインフレームで稼働する製品の場合、先ずプログラムの棚卸しを行うべきです。頻繁に使うプログラム、あまり使わないプログラム、殆ど使わないあるいは使わないプログラムに分けることが必要です。業者にプログラムの修正を一括して依頼するにしても、最初に、自社で、どのプログラムから優先順位をつけて対応すべきなのか、システムの将来構想、優先度、ライフサイクルに基づき検討する事が肝要です。
 
繁田 パソコンの場合はどうなるのですか。
 

今野

 

 

 

オフィス97に代表される最近発売されたプログラムは、殆ど2000年問題に対応していますので、バージョンアップでの対応が考えられます。ハード本体は2〜3年前迄に発売されたパソコンなら、まず2000年に自動対応していますが、全てのパソコンについて2000年に自動対応しているか否かを、DOSプロンプトでdateコマンドとTimeコマンドを使って診断したほうが無難でしょう。
 
繁田
 
 
何か難しいですね。我々の様な中小企業をサポートしてくれる制度はないものですか。
 
今野
 
 
 
富山県産業情報センターのソフトウエアーアドバイザーや、商工会のエキスパートバンクを利用すればよいですよ。その道の専門家が相談にのってくれます。
 
繁田
 
費用はかかるのですか。
 
今野
 
 
 
 
無料で相談に乗ってくれます。但し、日数に制限があるため、プログラム変換の実施までは無理ですが、2000年問題の概要や対応の進め方等のアドバイスを聞くだけでも参考になりますよ。
 
繁田
 
いいことを聞きました。これを利用しない手はないですね。
 
今野
 
 
私も協力させていただきます。

                          (五十嵐 雅文)



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